いや~、すごい試合でした。オーストラリアとの決勝戦ね。
日本は終始、押し込まれる展開で、耐えて耐えて耐え抜いて、後半のワンチャンスをものにして勝利するという、マンガみたいな試合でした。
スピード、パワー、体格で優るオーストラリア相手に、なでしこジャパンはまさに「気持ち」で戦うというジャパニーズ・スタイル。
実際は、技術とか戦術の面でなでしこが上回っていた、という部分も大きいんでしょうが、やはりね、ヘトヘトに疲弊しながらも、体を投げ出してオーストラリアのシュートを最後まで跳ね返し続けた選手たちの姿からは「気合い」とか「根性」とか「執念」みたいなものを感じましたね。
あと、高倉監督の采配が、大会を通じて冴えわたっていましたね。凄かった。
なでしこジャパンが1-0でオーストラリアを下し優勝、大会2連覇を達成 ~AFC女子アジアカップヨルダン2018~ | JFA|公益財団法人日本サッカー協会
これでしばらくは安泰か。なでしこジャパン、というよりも高倉ジャパンと言いたい。
ホッとしましたね、なでしこジャパン。
世代交代がスムーズに行くかどうか、ヘタすると暗黒時代?に突入してしまうんじゃないか?そんな懸念がありました。
日本の女子サッカーがメジャースポーツの地位を確保するためには、やはり、「なでしこジャパン」が勝ち続けるしかない、という部分がありますからね。
なでしこの負けが続けば、観客動員も激減しますし、スポンサーも撤退しちゃうし、メディアへの露出も無くなるし、そうなると国内リーグ自体の存続も危ぶまれたりして、非常にヤバいことになる可能性もあった訳です。
でも、そんな心配は必要なさそうでしたね。
大会前には、選手たち自身も不安げだったそうなんですが、いざ大会が始まってみると、試合ごとにチームとしてどんどん成長してる感じがありました。
まず、高倉監督がスゴイですね。
ぶっちゃけた話、男子サッカーの監督も兼任してくれないかな…って気さえします。
この大事な試合が続く連戦の中で、選手をローテーションしながら、交互に休ませながら勝ち進んでいく、ってなかなかのもんですよ。
準決勝で阪口をスタメンから外すとか、なかなかできるもんじゃないですよ。
控えの選手を上手く組み合わせて使いながら、チームとして完成度を高めつつ、勝利し続ける。
決勝戦のメンバーが、あの時点でのベストメンバーという感じだと思うんですが、高倉監督はそれを見越して、逆算して、準決勝や予選を戦っていたわけで。
行き当たりばったりで、その日暮らし的な選手選考をしているわけではない。明確なプランがある。
高倉監督、素晴らしいです。
そして、高倉チルドレンの台頭ね。
これでしばらくは安泰だなと思いました。
なでしこは、また強くなるでしょう。
第2の黄金期の始まりです。
個人的に、印象に残った選手。
みんなそれぞれ、ほんと素晴らしいんですけどね。
岩渕も完全にスーパーな選手になっちゃったし、横山も成長著しい。
鮫島、宇津木、阪口あたりのベテランが健在なのも頼もしかったし、熊谷のキャプテンシーとか惚れ惚れしますね。
長谷川とか市瀬とかもね、まだまだ伸びるだろうし…
あ、でもね、
決勝はゴールキーパーの山下ね!
山下の獅子奮迅の大活躍がなければ、早い時間帯で、ゲームプランが崩れていたのは間違いないと思うんですよね。
0-0でしのぎきったからこそ、最後の切り札の横山が効いたわけで。
山下、すごかったですね。
PKも止めたし、好セーブ連発でした。
とりあえず感じたのは、山下の身体能力が高いね!
どうしてもね、女子のGKって、男子と比較すると、めっちゃモッサリして見えるんですよね。
反応が鈍かったり、瞬発力が無いように見える。
ジャンプ力とかも「全然飛んでねぇじゃん」って見えてしまう。
守備範囲がすごく狭く見えちゃう。
でも、山下は動けますね!早い!
元々フォワードの選手だったらしいんですが、身長が伸びたんでゴールキーパーにコンバートされたそうで。
海堀と福元以降、GKの人材難というかね、絶対的守護神みたいな選手が出てこなくて、ある種の急所というか弱点でもあったと思うんですよ、GKのポジション。
でも、とりあえずこれで一安心って感じありましたね、山下の決勝でのプレー。
世界と戦っても負けない強さを感じました。
着実に、駒が揃ってきてる感じがありますね、なでしこジャパン。
不安要素がひとつずつ解消されつつあるというか。
あとは選手層がもっと厚くなればいいんですけど、それは高望みしすぎか。
控え選手の充実ってのはまだ先の話になるかな~。
個人的には、大儀見(中里)の後継者的な大型FWの登場を心待ちにしております。
なかなかねぇ~、体格的に難しいんでしょうね、日本人としては。
今大会、菅澤も頑張ってましたけど、世界のトップレベルと互角に戦えるレベルかというと、ちょっと厳しい。
どうしても、体を張ったプレーができる、タフで力強い大型フォワードの存在は不可欠だと思うんですよね、世界の頂点を目指すためには。
そういう意味では大儀見(中里)の存在はとんでもなく貴重というか、奇跡的な逸材だったんでしょうけどね…。
まぁ、そんなところでしょうか。
これ以上、細かい話になるとキリがないんで。
いずれにせよ、なでしこジャパンの未来は明るい!
何故なら、運とか、偶然ではなく、確実に「実力」で勝ち取ったアジアチャンピオンだからです!
今後の高倉ジャパンに期待!