老人とチャリ ~明日は我が身~

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こんばんは。機嫌の良いヘミングウェイこと、ハミングウェーイです。

先日、老人ホームのじいさんから「あげた自転車やっぱり返してくれ」って電話がかかってきたんですよね。

 

以前、じじいが「もう自転車いらないから、くれてやる」って言ってきたが、今度は「あの時のチャリを返せ」と

まぁ、ここまでは想定内ですよね。

ジジイの気まぐれなんて、そんなもんです。

 

一度いらないといったモノを「やっぱりいる!返せ!」って言い出すとか、こんなのは日常茶飯事じゃないですか。

まぁ、ボケも進行していますし。

 

ここで抵抗してもしょうがないんでね、自転車に乗って行ってきましたよ、老人ホーム。

本当はさ、じじいを自転車に乗せるのは危険かもしれないな~とは思うんだけどさ。

しょうがないんよね。

本人がチャリ乗りたいっていうんだから、彼のライドオンを食い止めることなど、できはしない。

できるだろうか、いや、できない。

 

クソ暑い中、チャリで老人ホームへ。待ち受けていたじじいが放ったフレーズがコチラです

「あっ、やっぱり、自転車いらんわ。乗って帰れ」

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

まぁ、想定内ですよ。

こういうこともありますわなぁ。

だって、相手はボケ老人ですから。

気まぐれオレンジロード実写版ですから。

 

女心と秋の空とボケ老人、でお馴染みの、あの、ボケ老人ですから。

 

まぁ、しゃ~ないですわな。

自転車、乗って帰ってきましたよ、クソ暑い中ね。

 

んでさ、ここからが、想定外の事件ですよね。

 

私が老人ホームを出てから数十分後、じじいから電話が…!

「おい、自転車が無いぞ!?お前、どこに駐輪したんだ?」

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

自転車を探してるわけですよ、じじいが。

老人ホームの敷地内に、私が返した自転車があると思ってるわけ。

 

重症じゃないですか。

 

私「いや、やっぱりいらんから乗って帰れって言われたから、乗って帰ったよ?」

爺「あっ、そうか?」

私「えっ?乗って帰らん方がよかった?」

爺「いや、そうかそうか」

 

なんだこれ。

 

端折って書いたから、800文字くらいで終わっちゃったな。

もうちょっとエピソード加えるか。

 

 

実は老人ホーム内でも、こんなモヤッとするやりとりがあった。

私がじじいの部屋の門を叩いた際、じじいは開口一番、こう言ったのです。

 

「やっぱり自転車いらんわ。」って。

 

んで、多少は動揺しましたが、私も

「そうだな、自転車じゃなくてタクシー使えばいいよ」

って返したわけよ。

そのほうが安全だしね。

 

そうすると耳の遠いジジイ

「はあっ?」

 

私「はあっ?」

 

爺「はあっ?」

 

もう、基本的に、会話がかみ合わないんですよね。

 

プロレス対UWFみたいなもんで。

ロープに振っても返ってこない。

 

んで、ジジイが

「車で移動するから、問題ないんだ」

って言うわけです。

 

私「えっ?車に乗るって誰の車?」

 

じじいはボケてますし、すでに免許返納済、車も所有しておりません。

てっきり、老人ホームの施設の職員の誰かの車に便乗するようなかたちで、車移動が可能なのかな?って思ったんですが…。

 

私「車で移動?」

 

爺「はぁっ?」

 

私「いや、車って誰の?」

 

爺「はぁっ?」

 

私「はぁぁぁぁーーーーっ!!」

 

爺「はあああああっっっっ!!!!」

 

もう、意味が分からんじゃないですか。

 

私「いや、誰の車?」

 

爺「タクシーに決まってんだろwww!」

(こいつアホじゃね?と言わんばかりに鼻で笑いながら)

 

私「(-_-)スーン・・・・・・」

 

いや、会話の最初にさかのぼっていただけると分かるんですが

私はかなり早い段階で

「チャリよりもタクシー使った方がいいよ」

って言ってんすよね。

早期発見早期退職ですよ。

 

それに対してジジイが「そうだな」って答えていれば、サクッと終わるやりとりだったわけじゃないですか。

にもかかわらず、実際には、最終的に私がじじいに「タクシー使うに決まってんだろwwwwwwプゲラ」ってあざ笑われる、っていう謎のフィニッシュですよ。

 

いや~~、恐ろしいね。

 

高齢化社会って恐ろしい。

 

いずれは、誰もがこうなる運命なのですよ。

 

私自身も「チャリを返せ、いらん、返せ、いらん」を果てしなく繰り返すことになるんですよね。

次世代の若者たちに対して。

 

今、こうしている瞬間も、日本中のいたるところで、自転車を返したり、もらったりしている若人たちが存在していることを私は知っています。

 

みなさん、お疲れちゃんです。

 


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